元素分析は有機合成化学者が論文を投稿する際に立ちふさがる大きなハードルのひとつである.
元素分析の問題点の一つにサンプル量の問題がある.
元素分析は約2 mgの試料をスズでできたカプセルに入れて,それを燃焼して各種ガスにして,そのガスの量から成分中のC, H, Nの量を出すものであるが,この2 mgが現代の分析法のなかではかなり多い方となる.しかも,このサンプルは燃やしてガスにするので当然戻ってはこない.
さらに,この方法は非常に高純度を必要とする.
許される誤差は0.4%であり,少しでも試料が汚いと値がずれてしまう.さらに試料に溶媒や水が一定量含まれている場合,溶媒込みで計算することも出来るが,計算上含まれる溶媒の比率があまりにも中途半端な場合,それが果たして信頼できる値なのかも問題になる.
で,とりあえず溶媒なしでの理論値と測定値がずれている場合には,結晶化に使った溶媒などを含めて計算してみるのだが,そのときに便利なツールが元素分析の友である.
こいつは任意の溶媒の含有率がいくつのときに測定値に近くなるかを計算するのに便利な機能がついていて,その結果を採用するかはともかくとして,とりあえず溶媒を含めたときに妥当な値をとり得るかを調べることが出来る.
このソフトは主にWindows用のフリーソフトであり,JAVA版もあるのだが,JAVA版はデータが入っている元素の数が限られていて,私の化合物に入っている元素が入っていなくて役に立たなかった.こういうときにMacユーザは苦労する.
そこでなんとかMacでこのソフトを使えないかとおもい,Mikuinstallerを試すことにした.こいつは元々はMacで初音ミクを動かすためにWineをIntel Macに簡単に導入する目的で作られたものだが,exeファイルをMacで起動できるので,他のソフトにも応用が可能な場合がある.
実際,Mikuinstallerを使って元素分析の友を立ち上げると,見事に起動してくれて,こちらでは元素のデータの追加が可能だったので,その機能を用いて自分の化合物でも何の問題もなく使うことが出来た.
他のソフトも試してみたところ,NMR解析ソフト(らもとよばれるやつ)が動かなかったので少々残念ではあるが,もう少し他のソフトも試してみたいと思う.
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